ライブレポート
坪井

 

 

坪井 明日香
Asuka Tsuboi

土のやわらかさで、歴史を経てきた布の美を表現

「布とか紙に、とっても興味があるんです。…なにか哀歓というか、人生模様といったものが、全部表現されているような気がするんです」(註1)京都に住み、作陶を続けてきた坪井は、京都の歴史や風物をテーマにしたシリーズを生み出し、その中で過去のたおやかな古布を土のやわらかさで表現してきた。「前衛陶芸というと、外来の純粋美術の強い影響が感じられ、日本の風土から生まれた、日本独自のスタイルのものが少ない」(註2)といった事もあった。坪井の華やかな金彩をちりばめた唐織シリーズは、肉体をテーマにした生命感溢れる作品群とともに知られ、日本の美を込めたテーマのひとつである。

(註1)「遊びあきない一人」磯部勝著『NHK工房探訪第12巻坪井明日香 陶芸』(1991)
(註2)「華麗なオブジェの協奏曲」中ノ堂一信著『NHK工房探訪第12巻坪井明日香 陶芸』(1991)


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