田嶋 悦子
Etsuko Tashima
モダンな白い陶と淡い色のガラスを組み合わせて、ピュアな空間をつくる
陶は、中は空洞なのに光をまったく通さない。それに対してガラス(註1)は、人の視線を中心にまでどんどん誘い込み、光を吸い込んでしまうような素材である。田嶋は、これら相反する特徴をもつ素材を組み合わせて、新しい形を生み出している。白色の釉薬に被われた陶器のエッジ部分は、土の素材をあえて見せて陶という存在感を強調する。田嶋は、テーマとしている植物について、次のように語っている。「植物はある一定の法則と秩序をもって幾何学的な美しいフォルムで存在しているのです。それは不思議というより、ある種の感動があり、私にとって大きなイマジネーションを呼びおこすものとなっています。」(註2)フォルムの美しさを追求しようと、植物からの無限の美を、陶と新しい素材の組み合わせで表現している。コルヌコピアとは、豊穣なる生命の形をいう。
(註1)田嶋によるガラスの制作は、キルンフォーミング技法によるパート・ドヴェールによる。
(註2)「創作の現場における「発見」工芸教育研究会主催 セッションー大学と工芸」(2000) |