ライブレポート

重松 あゆみ
Ayumi Shigematsu

イメージを形にすることー遺伝子の記憶の中の形

これらの「耳の骨」は、心に響く振動を骨をとおして感じるというシリーズであった。イメージを土に写し返るという作業が、作家の静かな感性の響きの中で進んでいることが伺える。この「骨の耳」のシリーズから、近年具体的なテーマが顔を出し始めた。つくり手はいつも新しさを求めて模索の中から、作品を生み出している。「私は作り始めるとき直接粘土で考える。…小さな粘土の固まりを手のなかで触っているうちに、粘土はさまざまに形を変えていく。…私の指先は、遺伝子の記憶の中にある形を選んでいるようにも思えるが、…快さと心地悪さの両面を持っている不思議な形に私はひかれる」

 重松あゆみ「作家コメント」、『つくり手たちの原像』展(1998)

 

 

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