ライブレポート
三島

三島 喜美代
Kimiyo Mishima

割れる印刷物にこめられた、ユーモアとメッセージ

新聞紙や広告のビラをつくり始めた1971年から、現在まで「割れる印刷物」をつくり続けている。シルクスクリーンの転写を土の表面に写し、本物そっくりの印刷物を再現する。印刷物に興味をもっていたという三島は、これまで速度を増して増大してくるゴミへの恐怖、情報化社会、環境問題に対するメッセージを投げかけてきた。やきものの印刷物は、情報は、物体であるということを認識させ、常に膨大な情報に取り巻かれ、振り回されている私たち現代人に、ユーモアを交えて痛烈に迫ってくる。「情報過多の現代、日常いやおうなしに目に触れる情報による恐怖、不安もさることながら、氾濫する情報に埋没する恐怖はもっと深いものです。…私の作品によって、ある空間が出来上がった時、そこに現代の不安、恐怖をも含めた、乾いたユーモアがあればいいと思っています。」

三島喜美代「やきものになった印刷物」、『現代日本の陶芸第15巻「明日の造型をもとめて」』講談社(1985)より

 

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