ライブレポート
久保田

久保田 厚子
Astuko Kubota

西洋的なデザイン構成が、伝統的な工芸を越えた新鮮さ。

久保田の装飾は、伝統工芸から大きく飛躍しているところが、私たちを魅了する。植物や抽象模様を連続的に構成するデザイン発想で、洗練されたモダンな作品に仕上げている。大学での植物模様のパターンデザインの研究も、久保田の新しい作品の展開に新しい発想をもたらしているところが多い。丹念な植物スケッチからおこされた具象デザインは、必要なモチーフのみを生かしながら、連続的な装飾文様に、さまざまなパターンを広げている。青白磁を中心に制作する久保田が、生地の白さを輪郭部分に残すファイン・ボーンチャイナを使った作品は、白い美しさを際立たせたいと選んだ素材であり、焼成温度が難しいという。

(参考文献)「私の求める陶磁器」久保田厚子、『セラミックス35』(2000)

 

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