ライブレポート
梶

梶 なゝ子
Nanako Kaji

とりとめのない宇宙の中で、ほんの一瞬のこの時、土に生きた痕跡をとどめる

「それぞれのヒトビトが存在しているということは、自己の歴史と人々が綴ってきた歴史、地球の歴史とそれを包む宇宙の歴史という土壌に立っている。この世界の中で限りなく小さいであろう自分自身の確認をとるために作業はくりかえされる。」
梶なゝ子「地平の上で」、『陶vol.44梶なゝ子』(1992)京都書院より
土の温かさや、手触り、力を加えた時に跳ね返される弾力など、梶の作品には、土のさまざまな表情を感じとることができる。そして、焼かれて完成したやきものは、その時代の産物として、また痕跡として、出会うことのない未来の人々にメッセージを伝える永続性を、やきものが背負ってきたことを思い起こさせる。

 

 

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