林 香君
Kaku Hayashi
東洋的なモチーフ、ゼロ、神聖な滝の情景をやきものにする。
《ゼロの軌跡》のシリーズは、ある書道家との出会いから始まった。禅で語られるところの“無”、そして“ゼロ”は、出発点。この東洋的な哲学の言葉は、林の土からのインスピレーションをさらに広げていった。林は粘土のやわらかさを生かして、褶曲(しゅうきょく)のような土のダイナミズムと書による筆によるうねりを結びつけて、粘土で表現した。さらに作品の《華厳》は、栃木県の華厳の滝をモチーフにして、滝の激しい流れ、水のしたたりをやきものに表わした秀作である。
|